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河本義行(緑石)のお雛様 [作品に関すること]

おとといの3月3日は雛祭りでした。
みなさま、今年はどんな雛祭りを過ごされましたか?
また、雛祭りや雛人形に、忘れられない思い出をお持ちの方もたくさんいらっしゃることと思います。

鳥取県の三朝温泉に「木屋旅館」という老舗の温泉旅館があります。
ここの大女将の御舩道子さんは、「アザリア」の主要メンバーの一人であった河本義行(緑石)の御息女(次女)です。
河本義行は、倉吉農学校在職中の昭和8年7月、生徒の水泳訓練中に溺れかけた配属将校を救助しようと体調不良の身を顧みず海に飛び込み、配属将校は助けられたものの自らは陸に戻る途中に心臓麻痺を起こして帰らぬ人になってしまいました。
この話と『銀河鉄道の夜』のカムパネルラの最期がよく似ていることから、河本義行をカムパネルラのモデルとする説もあり、旅館の向かい側にある喫茶室とギャラリーを兼ねた施設には「カムパネルラの館」と名づけられています。
http://misasa.co.jp/kannai.html

カムパネルラの館.JPG
「カムパネルラの館」外観

館内は、手前の方が喫茶コーナー「茶房木々」、奥の方が道子さんが集めてこられた賢治に関するさまざまなグッズや本、緑石の遺品・遺作などの展示コーナーになっています。
展示コーナーの見学は無料で、本は自由に読むことができます。
「茶房木々」の珈琲もおいしいです!!

店内風景.JPG
展示コーナーはこんな感じです

展示コーナーの一番奥には、お雛様が飾られています。
これは、緑石(つまり道子さんのお父さん)が、道子さんの初節句に紙粘土(新聞紙を溶かしたもの)でこしらえてくれた、手作りのお雛様なのです。
不格好なところがあるかも知れないけれど、とても暖かい感じの、すてきなお雛様だと思いませんか?

手作りのひな人形.JPG
緑石の手作りの雛人形

高価で立派な雛人形もいいかも知れません。
でも、親が子どものために心をこめて作った、手作りの雛人形にまさるものはありません!!
何でもお金を出せば買える世の中ですが、たとえ簡素なものであっても手作りの雛人形で祝う雛祭り・・・、それはとってもすてきなことだと私は思います。

(記:azalea)
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あっぷる すくらっふ

そういえば、御舩道子さんの講演「かじか蛙と共に」の要旨が
宮沢賢治学会イーハトーブセンターの会報第36号(2008.3.31発行)に載っていましたね。ご存じかもしれませんが・・・。
by あっぷる すくらっふ (2008-04-24 09:07) 

azalea

御舩道子さんの地道な活動も、こうして取り上げられてよかったですよね。
私の故郷の川にも「かじか蛙」が棲んでいます。
一時期は数が減っていたように見受けられましたが、最近はまた少し増えてきた気がします。
賢治の作品にも蛙が出てくるものがありますが、蛙が安心して棲める環境・・・それが人間にとってもいい環境なんだろうな、と御舩さんの記事を読みながら思いました!!
by azalea (2008-04-24 12:49) 

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