「ぎんどろの木」について [イベント(展覧会・講演会・研究会など)]
先日、「保阪嘉内・宮沢賢治 花園農村の碑」の除幕式に合わせて、「ぎんどろの木」の植樹式が行われたことをお知らせしました。
なぜ「ぎんどろの木」が植樹されたのでしょうか……。
話は3年前に遡りますが、賢治の童話『やまなし』を習った岩手県の盛岡私立杜陵小学校の生徒たちが、卒業記念に「やまなしの木」を植えたいと考えました。
しかし、岩手県内にはやまなしの苗木がありませんでした。
そこで、山梨県に問い合わせがあり、その結果やまなしの苗木3本が杜陵小学校に贈られました。
今回の「ぎんどろの木」の植樹は、そのお返しとして実現したものなのです。
「ぎんどろ」は、和名をウラジロハコヤナギ、学名をPopulus albaといい、嘉内や賢治の作品や手紙にも登場しています。
そういう意味では、「ぎんどろの木」は二人の友情のモニュメントの一つといえるのではないでしょうか。
「花園農村の碑」の向かって左側の石にはつぎのような賢治の手紙の一節が刻まれています。
来春はわたくしも教師をやめて本統の百姓になって働らきます いろいろな辛酸の中から青い蔬菜の毬やドロの木の閃きや何かを豫期します わたくしも盛岡の頃とはずゐぶん変ってゐます あのころはすきとほる冷たい水精のやうな水の流ればかり考へてゐましたのにいまは苗代や草の生えた堰のうすら濁ったあたたかなたくさんの微生物のたのしく流れるそんな水に足をひたしたり腕をひたして水口を繕ったりすることをねがひます
東京エレクトロン韮崎文化ホールの前庭に植樹された「ぎんどろの木」
この話については下記もあわせてご覧ください。
盛岡タイムス「ヤマナシに思いを託して 杜陵小卒業生が賢治詩碑脇にに植樹」
http://www.morioka-times.com/news/0405/01/04050106.htm
ずーむいん八ヶ岳「一寸いい話 アーカイブ」
http://8236.jp/weblog/cat10/
初めまして、私は小淵沢でペンションを経営しているZOOMと申します。
韮崎の保坂記念碑建立実行委員会事務局長の向山三樹様からご連絡を頂き、ずーむいん八ヶ岳「一寸いい話 アーカイブ」を載せて頂いたことを知りました。有り難うございました。私もリンクさせて頂きました。
http://8236.jp/weblog/2007/10/post_104.html
by zoommama (2007-10-23 21:49)
ZOOMさん、はじめまして!リンクありがとうございました。
「ずーむいん八ヶ岳」を拝見して、「やまなし」と「ぎんどろ」の植樹にはこんな経緯があったのか……と、新聞記事だけでは知ることのできなかったくわしい話を知ることができました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
by azalea (2007-10-23 23:03)