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「みどりの歌声 講演コンサート」を聴いて [イベント(展覧会・講演会・研究会など)]

5月2日の日曜日、逗子文化プラザで開催された「池子の森を守る、地球の緑を守る みどりの歌声 講演コンサート」に出かけてきました。
今年のゴールデンウイークは天候に恵まれましたが、この日はその中でも特に気温も風も心地よく過ごしやすく感じました。

この講演コンサートは、みどりを守る歌声の会の主催、逗子市の後援により開催されたもので、第一部はフェリス女学院大学教授、逗子・葉山九条の会事務局長の島村輝先生の講演「『虔十公園林』と池子の森―宮沢賢治から発想する」、第二部はみどりを守る歌声の会を主宰されている青木由有子さんによる「みどりの歌声コンサート」という、充実した内容でした(パンフレットによればお二人とも逗子市在住だそうです)。
当日の様子はこちらでごらんになれます。

島村先生の講演は、とても聞きやすく、また内容もわかりやすいものでした。
まず「逗子と自然と文学者」として美しい逗子の自然を描いた文学者とその作品、自然に対する独特な感覚を持った文学者について語られ、後者の一人として宮沢賢治を挙げられました。
(ここで賢治と小林多喜二の比較があったのが島村先生らしくて、興味深く聴かせていただきました)
そして、「宮沢賢治から発想する」として『注文の多い料理店』序、「狼森と笊森、盗森」、「十力の金剛石」などを例に賢治の自然に対する独特な感覚や、作品に描かれた自然との共生や自然の尊さ・・・といったことに触れたあと、「虔十公園林」の「若い博士」の言葉を例に自然を守り、育てることの大切さ述べられ、最後に池子の森を今日の暮らしと調和した「池子公園林」とするアイディアはどうか――という提言で締めくくられました。

休憩のあとは、青木由有子さんによる「みどりの歌声コンサート」。
宮沢賢治の歌曲は今回はありませんでしたが、約1時間にわたって熱唱されました。青木さんのことは以前に少し書かせていただきましたが、CDで聴くよりもはるかにパワーを感じました。植物から聴き取った歌は初めて聴きましたが確かに「ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたない」ように感じましたし、逗子をうたった「私の街から」「池子の風」はとてもすてきな歌で、この2曲も逗子の美しい自然の中から生まれたのだな・・・と先の島村先生の講演を思い浮かべながら聴かせていただきました。

充実した催しが終わって、とても満ち足りた気持ちになっていました。
そのあと、少しですが逗子の街を歩きました。
ほのかな潮の香りをのせた心地よい風が吹く中で眺めた池子の森はとても美しく、この森を守ろうと活動されている方々の気持ちを思わずにはいられませんでした。
「池子公園林」の提言が現実のものとなるよう、元神奈川県民としても願っています。

ちなみに、この催しは夏原ゆとさんに教えていただきました。
あらためてお礼申し上げます。

[ひらめき]島村輝先生のブログ
[ひらめき]青木由有子さんのブログ


(記:azalea)
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コメント 8

島村 輝

ご来場いただき、詳しいレビューをしていただいて、ありがとうございます。ぼく自身にとっても、とても実りある講演コンサートでした。声をかけてくださった青木さんと、スタッフの方々、ご来場いただいたみなさまに、あらためて感謝申し上げます。
by 島村 輝 (2010-05-07 22:32) 

azalea

島村先生、コメントありがとうございます!
とてもわかりやすく興味深い講演を拝聴させていただいた上に、ブログの拙い記事にコメントまでいただき、驚くとともに大いに恐縮しています。
本当に充実した一日を過ごさせていただきました。
参加者の一人として、島村先生、青木さん、そしてスタッフの皆様に心よりお礼申し上げる次第です。

先生の「池子公園林」のアイディアが少しでも早く現実のものとなる日が来ることを心から願いつつ・・・。
by azalea (2010-05-07 23:00) 

夏原ゆと

azaleaさま、「みどりの歌声 講演コンサート」にお越し頂いてありがとうございました!
そして素敵な感想まで書いて頂き、本当に嬉しく思います。

記事に書かれているように、とても充実した講演とコンサートでしたね。
終って何日も経つ今になっても、どうにか緑を守りたい…!という気持ちが心から離れません。
島村先生と青木由有子さんの心の底からの声が一人ひとりに届いたのだと思います。
講演コンサートで教わった、自然を大切にする心を持って、日々の生活を送りたいと思います。
大切なことに気付かせてくれた島村先生、青木さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

「池子公園林」、本当に現実のものにしたいですね。

私もazaleaさんのように、催しのあとは何とも言えない満ち足りた気持ちになりました。 
by 夏原ゆと (2010-05-08 12:24) 

azalea

早いもので、もう一週間経ってしまいましたね。
今朝も同じような良いお天気なので、2日の講演コンサートを思い出しつつコメント拝見いたしました。
夏原ゆとさんはじめスタッフの皆様も、本当にお疲れさまでした!
(今さらながらで申し訳ありません・・・)

自然を守り、育て、そして自然と共生できるような環境を大切にしていかなくてはならないことを、参加した人みんなが強く心にとめたことと思います。
こうした運動がもっともっと全国に広がっていけばいいですね!
by azalea (2010-05-08 18:42) 

橘香 六花

講演コンサートの感想を書いていただきありがとうございます!
私も参加致しましたが、とても充実していましたね!
天候にも恵まれて何よりでした。
島村先生のお話はわかりやすく興味深かったです。私も学生時代にこのような先生が多くいらしたら学生生活がもっと充実していたのにと思います(^^; 「池子公園林」のご提案、私も賛成です。
青木由有子さんの歌声はさらに磨きがかかったように思いますが、今後も「みどりを守る歌声の会」を始めとしてますますご活躍されることでしょう。
そして、私自身もみどりを守るために出来ることをささやかですがお手伝いさせていただきたいです。

by 橘香 六花 (2010-05-09 01:21) 

azalea

私も学生時代を振り返ってみれば、橘香 六花さんの「このような先生が多くいらしたら…」という思いに同感です。
本当に島村先生の熱意が、どんどん伝わってくる感じがしました。
青木さんの歌も初めて生で聴かせていただきましたが、どの曲も良かったです!

島村先生のお話の中で、「もし賢治がずっと昔の人だったら、すぐれた経典の作者になっていたのではないか」というご意見がありましたが、没後80年近く経ってもなお新鮮さを失わないことや、いろいろなことに通じる普遍性を思うと、確かにその通りだなあという気がしてなりません。
また、いろいろな視点で賢治さんの作品を読んでみたいと思います。
by azalea (2010-05-09 12:32) 

島村 輝

みなさんのお言葉、恐縮身にあまります。こんなに熱心に、共感を持ってお聴きいただけたとは、講演者冥利に尽きます。この気持ちを忘れず、環境と平和をつなぐ、いのちに直結することばをつむぎたいと思います。ほんとうにありがとうございます。
by 島村 輝 (2010-05-18 23:21) 

azalea

島村先生、御丁寧なコメントいただきありがとうございます。こちらこそ恐縮至極です(^^;)
今、わたしたちにとって〝環境と平和〟を守ることの大切さを、御講演を思い出しつつ日々感じております。
先生のますますの御活躍を心より祈念申し上げますとともに、あらためてお礼申し上げます。
by azalea (2010-05-19 00:06) 

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