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岩手訪問記(小岩井農場編) [ゆかりの地]

昨年から連載してまいりました「岩手訪問記」もいよいよ今回が最終回。
最後は、小岩井農場を訪れました。

2007年の「花園農村の碑」の除幕式に岩手県知事から贈られ、嘉内の故郷に植樹された3本の「ぎんどろの木」は、実は小岩井農場から分けていただいた苗木であったのです。
今さら言うまでもなく小岩井農場は賢治も嘉内も訪れたゆかりの地であり、『春と修羅』に収められた詩「小岩井農場」の中には嘉内や「アザリア」の友たちを髣髴とさせる言葉がちりばめられているという見方もされています。
そんな、二人の思い出につながる小岩井農場で育てられた苗木が嘉内の生家の近くに植樹されたということは、とてもすばらしいことだと思うのです。
嘉内は、「花園農村の碑」の近くの台地上にある墓地に眠っています。
きっと、「ぎんどろの木」の成長を楽しみにしていることでしょう。

と、いうことで盛岡だけではなく小岩井農場も、今回の訪問先にどうしても入れておきたかったのです。

まず最初に訪れたのは苗木を分けていただいた環境緑化部です。
ここで環境緑化部長の中村さんら関係者の皆様に御挨拶をし、例によって記念品をお渡しいたしました。

小岩井1(挨拶).JPG
      環境緑化部で訪問の御挨拶

外は吹雪になっていましたが、せっかくだからということで資料館長の野澤さんに御案内いただき、賢治や嘉内も見たと思われる古くからの建物を見て回ることになりました。

小岩井2(施設見学).JPG
      このころには外は吹雪でした

小岩井農場の中には創業のころ建てられ、今なお使われている建物がたくさんあり、その中には文化財になっているものもあります。
賢治や嘉内もこれらの建物を見たのか・・・と思うと、感慨深いものがあります。
環境緑化部周辺を見学した後は、車で移動し、内丸牛舎や資料館を見学しました。

小岩井3(資料館).JPG
      資料館の外観

小岩井4(資料館内).JPG
      資料館の展示を見る保阪庸夫氏ら

小岩井5(資料館内).JPG
      立体地図を一行に解説する岡澤前館長
      小岩井農場がいかに広いかがよくわかります

資料館の中には、小岩井農場の歴史を伝える貴重な資料や、生産物の説明、農場とその付近の立体地図などさまざまなものがあります。
館内では、館長の野澤さんと前館長の岡澤さんのお二人が丁寧に解説してくださいました。
ちなみに岡澤さんは『賢治歩行詩考―長篇詩「小岩井農場」の原風景』の著者で2006年に宮沢賢治学会から宮沢賢治賞奨励賞を受賞された方でもあり、賢治と小岩井農場の話は尽きません。
しかし、時間も限られているため残念ながら岡澤さんとはここでお別れし、再び車に乗り込み本部に移動します。
詩「小岩井農場」にも「本部の気取った建物」とうたわれている建物は1903年(明治36年)に建てられ、その後一部が増築され現在に至っているそうです。
国の登録文化財でもありますが、今も事務所として現役で活躍中です。

小岩井6(本部).JPG
      小岩井農場の本部

幸い吹雪も一段落したので、本部周辺で「小岩井農場」の詩にうたわれている風物を思い浮かべながら、ひとときを過ごしました。

こうして、一連の訪問は無事に終わり、盛岡駅で解散しました。
今回の訪問では、お名前を記させていただいた方々ばかりでなく、本当に多くの皆様にお世話になりました。
この場をお借りして心からお礼申し上げます。
そして、またいつの日か皆様とお目にかかることを楽しみにしています!

(記:azalea)
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