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「木喰展」に行ってきました [イベント(展覧会・講演会・研究会など)]

甲斐国丸畑(現山梨県身延町)に生まれた木喰の生誕290年にあたり、「木喰展」が開催されています。
tirasi.JPG
■期間/2008年4月5日(土)~5月6日(火・祝)
■時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日/4月8日、15日、22日(いずれも火曜日。4/29、5/6は開館)
■観覧料/一般 1000円
■会場/山梨県立博物館
くわしい内容は下記をご覧ください
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3nd_tenjiannai_08tokubetsu001.htm

木喰は22歳で出家し、56歳から全国を巡る廻国修行の旅に出ますが、その途中の60歳ごろから仏像を彫り始め、93歳で亡くなるまで数多く(現存するものだけで600体を超えるそうです)の仏像を全国各地に残しました。
その作風には独特なものがあり、微笑を浮かべた柔和な像が多いのが特徴です。

この木喰仏の魅力を発見して世にしらしめたのが、美術史家で民芸運動の提唱者であった柳宗悦です。
大正13年1月9日、朝鮮民族博物館の設立準備に取り組んでい浅川巧と共に現・甲府市池田町の小宮山清三宅を訪れた柳は、そこで偶然に三体の一木造の仏像を偶然に目にしました。これが柳宗悦と木喰仏との出会いです。

山梨日日新聞は、この木喰仏を紙面で取り上げることとし、大正13年11月12日から28日まで「木喰仏が世に出づるまで」という記事を14回にわたって連載しますが、この記事を書いた記者は誰だと思いますか?
そう、保阪嘉内その人なのです!!
山梨日日新聞は、この連載記事のほかに、大正13年11月29日には「木喰号」と題し2頁見開きの特集記事を、大正14年5月31日には「木喰上人特集号」と題して1頁を使った特集記事を組んでいます。
嘉内は、こうした記事の執筆と共に、山梨県内外での調査活動や東京大学で行われた展覧会などへの随行、木喰上人の和歌集や略伝の編集への協力なども行っていたようです。
また、大正13年11月28日に発足した木喰五行研究会にも、柳宗悦や小宮山清三、浅川巧らと共に保阪嘉内も参加しています。

この、嘉内にも縁の深い木喰仏の展覧会を、12日に有志で観覧してきました。

かいじあむ.JPG
ここが「木喰展」の会場、山梨県立博物館「かいじあむ」です。

交い.JPG
「かいじあむ通信kai」の表紙を飾っているのは、木喰の「自身像」です。
会場には木喰仏や書画、文書など約170展が展示されていて、素朴で独特な味わいのある、木喰仏の世界を堪能できます!

「91歳になってもなお3日間で7体も仏像を彫ったという木喰上人、もう超人というほかないですね~」
・・・と感動しながら外に出て、みんなで博物館の庭を散歩しました。

やまなしの木.JPG
広々とした庭には、花をつけたやまなしの大きな樹も!

やまなしの花.jpg
これが「やまなし」の花です。

ちょっと休憩.JPG
いろいろな植物を見ながら、みんなで楽しく語らいました。
こうして芝生で休憩している姿を見ていると、嘉内や賢治たちが植物園で撮った写真を思い出します。

この日は暖かくて風もない絶好の行楽日和。
とてもすてきな一日になりました[晴れ]

「木喰展」は、山梨県立博物館では5月6日で終わりますが、そのあと愛知県の豊橋市美術博物館(5月16日~6月22日)と神奈川県のそごう博物館(6月27日~7月24日)で開催されるそうです。
今回の山梨会場でごらんになれなかった方も、近くの会場でごらんになれるかも知れませんね[ぴかぴか(新しい)]

(記:azalea)



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コメント 10

akatuki

なんだか癒された『木喰展』でしたね。あの微笑みにすっかり魅せられてしまいました。でも・・・閻魔様の所にいた衣類を剥ぐとというおばあさんが怖くて、そこはあまり見ませんでしたけどね。
嘉内は山梨日日新聞社時代もやめてからも、木喰上人の研究を続けていたと言いますが、すごく頷けちゃう気がしました。だってすくわれる気がしますもんね、優しい表情や微笑みに。
ところで、『木喰展』の話を友人にしていたら、面白い話をしてくれました。木喰上人の生まれ故郷丸畑にある四国堂の天井には、寄進者や協力者の名前が書かれた板が隙間なくはめ込まれているのだそうです。木喰ゆかりの全国の寺の住職の書や地元の幼稚園児や中高生の寄せ書きなどに混じって、バチカンの大司教とカトリック韮崎教会主任司祭の署名もあったそうです。それは、韮崎ではおなじみのフェデレ、ジャンニーニ神父です。ジャンニーニ神父は、ローマでの「木喰写真展」開催などに尽力したのだそうです、ローマでの「木喰写真展」も驚きですが、遠くイタリアからきたジャンニーニが木喰上人に魅せられて四国堂に名前を連ねているのも、嬉しい事ですよね。私はジャンニーニが大好きでしたから、確認に行ってみたいなーと思っています。
この日は『木喰展』もよかったけど、大きなやまなしの木の下で素敵な時間をすごすことができたのも、よかったかも・・・遠目写真だと足も大丈夫だしね
by akatuki (2008-04-14 23:43) 

azalea

『木喰展』・・・、木喰の世界にすっかり浸ってしまいましたね。あの独特な雰囲気を持った柔和な像に囲まれていると、何だか別の世界にいるような気さえしてきました(あぶないなぁ)。
akatukiさんが怖かったとおっしゃる閻魔様のところも、強面の十王たちに囲まれて中央に好々爺といった感じの自身像がすっくと立っているのが、不思議な感じがしてよかったですよ。
四国堂の寄せ書きのお話し、面白いです!カトリックの神父さんがローマで「木喰写真展」を開催したり、四国堂に寄せ書きをしたりなんて、信じられないくらい驚きました。
本当に人の心をうつものは、国境も宗教も超えてしまうのかな・・・。
お話しを読みながらそんなふうに感じました。

そう、あの白い花をつけた大きなやまなしの木の下で、保阪先生を囲んでみんなでのんびりと語らってすごしたひととき・・・とってもよかったです!!
きっと、いつまでもずっと心に残りつづける、本当にすてきなひとときでした。
またいつか、みんなであんなふうにすごせるといいですねー。
by azalea (2008-04-15 22:17) 

akatuki

そうですね、あんなふうに時間を過ごしたのは、久しぶりの事でとっても幸せでした♥ 
 私の勝手な解釈ですが、保阪嘉内は自分の見せ方(表現の仕方)が上手だったように思います、写真を通してですが、決まって真っ直ぐ前を見ていないでしょ、斜に構えたり、横を向いていたり、寝そべっていたりね、まっすぐ前を向いている時でもその笑顔は超スマイルですよね。着物の時だって、片方袖はとうしていないんですから、雑誌のモデルさんみたいだと思いませんか?それはあの時代ではかなりイケテル男を意識していたんだと思うんです。(かなり勝手な解釈)何度も見ているうちに、すっかりとりこになってしまいました。
あの「木喰展」の会場だった博物館の庭は、嘉内が大正5年盛岡高等農林の植物園での写真によく似た雰囲気でした。そしてそのやまなしの木の下の保阪先生は、ポケットに手を入れてゆったり歩かれていましたね。叱られるかもしれないけど、かっこいい男を目指した嘉内のDNAを、息子さんの中に見つけたような気がしました。
 (ホント言いたい放題です)
 ムコちゃんは少年のようにn夫妻はむつまじくazaleaさんは静かに庭の散策を楽しんでいたように感じました。私は・・・


by akatuki (2008-04-15 23:25) 

azalea

保阪嘉内の写真、イケてますよねー!!
もう中学時代の写真からその片鱗がよくあらわれていて、心憎いくらいです(笑)
やっぱり、あのいろんなポーズは演劇からヒントをを得ていたのでしょうかねえ?
そして保阪先生の後ろ姿・・・絵になっていましたね。背筋がピンと伸びていて、同性の目からみてもとってもダンディでかっこよく見えましたよ!!
ホント、DNA・・・ですよね。なかなかなろうと思ってかっこよくなれるものではないですものね。
なんて、この際だから言いたい放題しちゃいます(笑)

そして、akatukiさんは少女のように微笑みながら・・・・でしょ!!
by azalea (2008-04-16 00:11) 

あっぷる すくらっふ

みなさん、ほんとうにすてきなひとときを過ごされたようでよかったですね。

>あの時代ではかなりイケテル・・・
やっぱりみなさん(?)もそう思われていたのですね。
実は私もそういう嘉内に惹かれてしまったくちですから・・・(笑)
あのきかん気そうな顔とか。
女性から見たら逆にかわいくてたまらないかも・・・。
・・・って、すみません、言いたい放題が移りました。。。(T_T)
そのDNAを受け継いだ保阪先生にいつかお目にかかれる日がきたらいいな~なんて思っていますが。。。(ミーハーかっ)
失礼しました。。。(汗)
by あっぷる すくらっふ (2008-04-16 11:01) 

azalea

ああ~、モテモテの保阪嘉内がうらやましいですっ(爆)
やっぱりモテるにはイケてないとだめなんですね~。
イケてないDNAを受け継いだワタシ・・・(>_<)

>保阪先生にいつかお目にかかれる日がきたらいいな・・・
本当に、あっぷる すくらっふさんにも韮崎を訪れてもらって、保阪先生にもお目にかかってもらえるといいな~、と思います。
あっぷる すくらっふさんにも加わってもらえると、きっともっともっと話がもりあがると思うんですけれど。
ねっ、むこちゃん、akatukiさん!!
by azalea (2008-04-16 18:22) 

akatuki

私は個人的にちょくちょく、あっぷる すくらっふさんのブログにおじゃましてますので、すごーく身近な感じがしちゃうんですけど、一度保阪先生に逢って頂きたいですねー。凄い特典がありますよ。
1、保阪嘉内のDNAを実感できる
2、とりあえず女性のどこかよい所を褒めて下さる(花のようだよー  とか、嬉しくさせてもらえる。)
3、相当難しい漢字を知る事ができる(一度生原稿をご覧下さい、同  じ時代に生きているとは思えないほどの漢字力です。表現も多  彩、知識も豊富、まさにシンクタンクです。)
まだまだありますけど、とにかく逢ってみなくちゃねー。
それから長男善三さんは、容姿が父上に似ておいでですよ。

azaleaさんもむこちゃんもすごく素敵ですよ、でも、女性を喜ばせる言葉がまだまだ勉強が足りませんねー・・・学んでね♥

嘉内の山日時代の写真の中に、宴会の集合写真があったように思うのですが、その写真には花柳界の方々が一緒に写っていました、まさに文化人の大豪遊という感じでしたが、その中で嘉内は両腕を組んで超笑顔で、アバンギャルドな雰囲気を漂わせているのです。そういうところがまたいいですよね・・・彼。


by akatuki (2008-04-16 19:17) 

あっぷる すくらっふ

akatukiさん、はじめまして、ありがとうございます!
時々コメントされているのを見て、素敵なかただな~と思っていたので
ほんとにうれしいです!(*T∇T*)
私の拙いブログもみてくださっているのですね・・・
なんのテーマも脈絡もなく戯言のようなものなので、恥ずかしいかぎりです。
暖かいお言葉、こんなにうれしいことはありません。
ただでさえ、保阪先生にはお目にかかりたいと思っているのに
そんなに素敵な特典♥がついてくるのであれば、もう今にでも飛んでいきたい気持ちです。
もしかして、2番の特典はお父様譲りだったりしてっ・・・
akatukiさんなら「花のようだよー」と言って頂けるとして
もし絶句されたらどうしましょう~
「デンシンバシラのようだねー」だったりして・・・
それでも保阪先生ならうれしいですけど。
・・・すみません、完全に舞い上がっています・・・・

保阪先生は畏れ多いですが、alatukiさんはじめ韮崎のみなさんに
お会いできる日がほんとうに来るとすれば、身に余る光栄、それ以上のことはありません。

ふとしたきっかけで、こちらのサイトに厚かましくも(ほんとに厚かましい!)おじゃまさせて頂くようになりましたが、
どうぞ、今後とも、よろしくお願いします。
よろしかったら私のブログにもぜひあそびにきてくださいね。
ありがとうございます。

P.S.
Azaleaさん、あれで(どれで?)なかなかひとをのせるのが
上手なんですよっ!

by あっぷる すくらっふ (2008-04-17 12:57) 

azalea

なんだか、保阪嘉内(&庸夫先生)ファンクラブができそうな感じですね!
女性どうしで話が盛り上がりそうな気配がしますけれど(^^;)
あっぷる すくらっふさんのブログには私もよくおじゃましています(汗)が、その人柄はブログからとってもよく伝わってきます。
とってもすばらしい人だと私は感じています。
そして、ぜひ保阪先生にお目にかかっていただいて、いろいろお話ししてほしい人だと思っています。
「畏れ多い」なんて、おっしゃらないでくださいね。
保阪先生は、きっとにこにこしながら喜んで迎えてくださいますよ!!
(これは、決してのせようとしているんじゃありませんからね~(爆&汗))

だから・・・、あっぷる すくらっふさん、遠慮なんかしちゃダメですよ!!
みんな楽しみにして待ってますから~(^_^)v
by azalea (2008-04-17 18:04) 

Azalea

あ、もしかすると特典4?
保阪先生とお知り合いになって年賀状をお出しすると、ご自作の詩や歌が書き添えられた年賀状をお返しにいただけます。
とても難しい漢字がたくさん並んでいますけれど、ちゃんと振り仮名をつけてくださっているので安心です!!
by Azalea (2008-04-18 12:56) 

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