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賢治書簡が入札に! [作品に関すること]

今年度の明治古典会七夕大入札の目録が届きました。
神田神保町にある東京古書会館を会場に定期的に行われているオークションですが、稀覯本はもちろん直筆の原稿や書簡などもたくさん出品されます。
文学館に勤務していたころは毎年展観にでかけて入札を依頼していたのですが、たいてい注目される〝目玉〟が出品されています。
今回の目玉は、どうやら宮沢賢治の書簡のようです。

カタログ.jpg

画像は目録の28頁です。「宮沢賢治の詩の世界」にもこの件に関する記事がありますが、出所が違うのか目録の体裁が手元のものと違っています。

上段は『春と修羅』。右側のものは最低落札価格50万円、左側のものは最低落札価格78万円となっています。
写真で見る限りでは右側のものの方が状態が良さそうに見えますが、実際はやはり実物を手にとってみないとわかりません。
そのため、入札する、しないにかかわらず誰でも実物を手にとって見られる一般プレビュー(下見展観)が行われます。(今年は、7月6日(金)午前10時~午後6時と7月7日(土)午前10時~午後5時)
ただし、個人では入札はできません。
入札したい場合は、全国古書籍商組合連合会(「日本の古本屋」)加盟の古書店に依頼して札を入れてもらいます。
そして運良く(?)落札できた時は、その古書店を通じて商品を購入するという形になるのです。
意外と安く落札できる時もあれば、もう一声足りなかったという時も、あるいは予想を上回る高値が付いていて全く及ばずという時もあります。

では、いよいよ下段の賢治書簡ですが、これは大正14年(1925)12月20日岩波書店店主の岩波茂雄宛書簡(新校本・書簡214a)です。
Webサイトの説明文には「岩波茂雄宛 ペン書ウラ表使用計48行 他に謄写刷詩篇1枚 大14・12・20付 封筒付『春と修羅』刊行の意図、その流布の実態から残りの詩集と貴店哲学書を取替えてくれないか、と。現筑摩の全集にカラー版巻頭に影印されている。」とあります。
封筒、同封されていた謄写版印刷の詩稿「鳥の遷移」とセットで、気になる最低落札価格は・・・・500万円です。
賢治書簡の出品は滅多にないだけに高値が付くことは予想されますが、いったいいくらで落札されるのでしょうか。
開札は7月8日に行われます。

このほかにも書画などの美術品も含めたくさんの品々が出品されており、博物館や美術館の展示とは違って明るいところで、しかも希望すれば手にとって見られるのですから、近くの方は古書店の散策も兼ねてでかけてみる価値は十分にあるかと思います。
詳しくは、明治古典会のWebサイトをご覧下さい。 

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