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「大震災復興チャリティー 自然を癒すコンサート」感想 [イベント(展覧会・講演会・研究会など)]

5月2日の月曜日、みどりを守る歌声の会主催による大震災復興チャリティー 自然を癒すコンサートに出かけてきました。
出演は青木由有子さん(歌)、月読かぐやさん(舞と朗読)、青木由起子さん(朗読)の3人で、コンサートの純益は、詩人・草野心平の故郷である福島県双葉郡川内村に義援金として寄付されるとのことでした。
川内村は、あの福島第一原発から30km圏内(一部は20km圏内)にあるそうです。
草野心平が福島県の出身ということは知っていましたが、そういう場所だったのか……と認識を新たにしました。

会場は逗子文化プラザのさざなみホール。
席数160のこぢんまりしたホールで、チケットはすでに4月中に完売したそうです。
コンサートの様子と、義援金の報告については、こちらにアップされています。
会場には募金箱も置かれていましたが、集まった額を見ると少々肩身の狭い気持ちがします(^^;)

コンサートは2部構成で、前半は唱歌や、自然から聴き取った歌、青木さんのオリジナル曲など。
新曲「声のリボンの歌」も披露されました。
歌詞に賢治さんの「種山が原」の一節が取り入れられている、すてきな歌でした。
また、トークの中では震災から1か月後の4月11日に岩手県の達増知事が〝「がんばろう!岩手」宣言〟で、賢治さんの「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を引用して復興への取り組みを誓われていたことが紹介されていました。

そして後半は、宮沢賢治の文語詩「流氷」の舞で始まり、朗読歌曲「鶯宿はこの月の夜を雪ふるらし」「ノクターン~噴火湾~」、朗読歌曲「遥かな国を行く銀河列車」から「序曲」「涙を越えて」「アルレヤ」の3曲……と、賢治さん関係の作品を中心に進められました。
どの曲も、それぞれに出演者がまさに全身全霊で表現されているのが痛いくらいに伝わってくるほどの迫力がありました。
歌・舞・朗読を通して作品の世界がイメージとして感じられ、目の前に詩にうたわれた情景が広がっているかのように思いました。
もちろん賢治さん関係以外の曲も、CDで聴くのとは全然違って聞こえるほど心に迫ってくるものがあり、1曲1曲に込められた強いメッセージを感じました。
(全体にあまりにも凄すぎて、それ以上うまく表現できません)

最後は「春はかえる」を全員で歌いました。
歌を通じて会場が一体になった感じがしました。
隣の席の年配のご婦人が、とてもきれいなソプラノで歌っておられたのが印象深かったです。

青木由有子さんのコンサートは初めてではありませんが、今回は歌もピアノ伴奏だけでなくライアーの弾き語りもあり、舞あり、朗読ありという盛りだくさんの内容で、驚くほど充実していました。
約2時間に及ぶコンサートでしたが、あっという間に終わってしまったように思いました。

出演者の皆様、運営に当たられたスタッフの皆様に、心よりお礼申し上げます。


(記:azalea)
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コメント 2

夏原ゆと

azalea様
私もこちらのコンサートに参加させて頂きましたが、歌、朗読、舞などで充実しており、迫力も圧巻でした。
azalea様のおっしゃるように、本当に全身全霊という感じでしたので、自身もじっとしていられず、何か少しでも出来ることをしたいという気持ちになってしまいました。
賢治さんの曲目も盛り沢山でとてもよかったです。
そして今回のコンサートのタイトルに「大震災復興」とあるように、会場での出演者、スタッフ、観客の皆様の気持ちが被災地へ届けばいいな…と思いました。

by 夏原ゆと (2011-05-13 06:29) 

azalea

本当に、心を動かされるコンサートでしたね。1曲1曲に感動しながら聴かせていただきました。
会場で一つになった皆の気持ちはきっと被災地に届いたことでしょう。

震災から2か月が経ちましたが、福島第一原発の事故は収束への出口が見えるどころか、次々と問題が浮上してくる状況です。
川内村をはじめ地元の皆様は、私たちとは比べものにならないくらい不安といらだちを抱えながら過ごされていることと思います。
1日も早く誰もが安心して暮らせるようになるように祈るばかりです。
by azalea (2011-05-13 21:08) 

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