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『ふらここ』と『ふらここ叢書』の最新号 [本の紹介]

鳥取県倉吉市で活動されている河本緑石研究会の機関誌『ふらここ』4号と『ふらここ叢書 河本緑石作品集4』の新刊が発行されました。

ふらここ4.jpg

今回の「ふらここ」は、特集として「河本家所蔵資料目録」が掲載されています。
これは河本家に所蔵されている緑石の関係資料(作品掲載誌、書簡、手稿、日記・ノート類、辞令などの伝記資料等)をくまなく調査・整理し、分類のうえ目録化したものです。
膨大な資料をこつこつと時間をかけて整理されたであろう、関係者の姿が目に浮かぶようなすばらしい目録です。
目録を作るという作業は、実に地道で根気のいる作業です。
形ができるまでに長い時間と大きな労力がかかりますが、イベントのように華々しく注目されることはさしてありません。
しかし、資料目録こそが研究の基本中の基本であることは、言うまでもありません。
まさに「研究会」の名にふさわしい素晴らしい事業を完遂された、河本緑石研究会の皆様に心より讃辞を申し上げます。

そのほかに、御舩道子さん、河本義和さんのエッセイ、岡田幸助さんによる「倉吉訪問記」(「宮沢賢治センター通信」第8号から転載)、緑石逝去の翌年に刊行された倉吉中学の『記念誌』の記事などが掲載されています。
頒価は700円。


ふらここ叢書.jpg

『ふらここ叢書 河本緑石作品集4』は緑石の作品を採録したもので、『ふらここ』と共に、河本緑石研究会によって刊行が続けられています。
今回は荻原井泉水が創刊主宰した雑誌『層雲』に掲載された作品が集成されています。
『層雲』に掲載されている緑石の作品は自由律俳句ばかりでなく、詩、通信、評論・雑記・連句など多岐にわたっており、その文芸活動の幅広さが感じられます。
なお、俳句には索引が設けられており、掲載の巻号やその時の緑石の歳がわかるようになっています。
こうした丁寧な作りにも、研究会そして編集者の姿勢がよく感じられます。
『ふらここ叢書』の刊行は、緑石研究の基礎資料として重要な意義を持っています。
こちらも編集作業は大変なものかと存じますが、一読者として次の刊行を心より楽しみにしております。
頒価は1300円。


こうした意義ある刊行物の出版は、まさに郷土ゆかりの人物の顕彰活動としての手本ともいえる事業であり、研究活動の根幹を成すにふさわしいものだと思います。
河本緑石研究会のますますの発展と今後の活動に大いに期待しております。

『ふらここ』『ふらここ叢書』とも河本緑石研究会のほか、倉吉市内の下記の書店でも扱っているそうです。
今井書店倉吉支店(Tel.0858-23-4142)
・倉吉ブックセンター(Tel.0858-24-0375)


(記:azalea)
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おすすめサイト

ブログ楽しかったです。ありがとうございました
by おすすめサイト (2010-12-13 18:12) 

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